【目次】
■デジタルサイネージとは?

サイネージ(Signage)とは、「記号」「標識」「看板」といった意味を持つ英語です。デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイやLEDディスプレイなどの電子的な表示機器を用いて、映像や画像、文字情報などを表示する情報発信システムのことです。従来の紙媒体のポスターや看板に代わり、情報をデジタル化して表示することで、より多くの情報を効果的に伝えることができます。電子看板や電子掲示板とも呼ばれ、近年では単に「サイネージ」といってデジタルサイネージを指す場合も増えています。
駅構内や街頭にある大型ビジョンをはじめ、公共施設や各種店舗、オフィスなど、近年はさまざまな場所に設置されています。
デジタルサイネージの構築方法はいくつか種類がありますが、基本的な構成要素としては、情報を表示するディスプレイ、表示するコンテンツ、コンテンツをディスプレイに配信するための再生機器、そしてそれらを設置するためのスタンドなどがあります。再生機器には、コンテンツを記録したUSBメモリなどを直接挿して表示するスタンドアロン型と、ネットワークに接続してコンテンツを配信するネットワーク型があり、用途に合わせて選択します。
■デジタルサイネージのメリット

従来はターミナル駅などで見かける程度だったデジタルサイネージですが、近年は使用する施設や店舗が増えてきました。デジタルサイネージを活用することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
考えられるメリットを、紙媒体のポスターや看板などと比較しながらご紹介します。
・状況に応じた内容を表示できる
デジタルサイネージは、常に同じ内容を映し続けるのではなく、時間帯や曜日といった状況に応じて、すぐに表示内容を変更できます。例えば、週末の昼間はファミリー層向け、平日は社会人向けの内容にするなど、その場にいるユーザーに適した情報発信を行うことが可能です。
同一のコンテンツを表示し続けるよりも効果的に情報を伝えられ、高い訴求力が期待できます。
・動画を活用できる
動画コンテンツを活用できる点も、デジタルサイネージの持つメリットのひとつです。文章や写真だけでは詳細を伝えにくい情報だとしても、動画や音声を活用すれば具体的に表現できます。
従来のポスターよりも多くの情報を伝えられるようになり、通りがかった人に興味を持ってもらえる可能性が高まるでしょう。
・差し替えのコストを削減可能
紙媒体のポスターや手書きの看板などは、基本的に一度作ったり貼ったりしたら内容をすぐに変更できません。記載されている内容や情報を更新したい場合は、その都度ポスターを印刷して貼り直さなければならず、金額や時間的なコストがかかります。
一方で、デジタルサイネージで表示する内容を差し替えたい場合は、コンテンツを変更するだけで済みます。印刷代や貼り替えにかかる手間といったコストの削減が期待できる点は、デジタルサイネージの持つ大きな強みです。
また、デジタルサイネージは、紙媒体とは異なり、視聴者数や視聴時間帯などを計測するシステムと連携することで、広告効果を測定できるというメリットもあります。例えば、AIカメラやセンサーと連携することで、デジタルサイネージの前を通行した人の数や、デジタルサイネージをどれくらいの時間見ていたのかを計測することができます。これらのデータは、広告効果の分析や、コンテンツの内容改善などに活用することができます。
・暗い場所での使用にもおすすめ
街灯などが少なく暗い場所では、看板やポスターに近づかないと内容がわからないことも考えられます。デジタルサイネージは画面が明るいため、暗く視界が悪い夜間でも見やすいのがメリットです。画質が鮮明なディスプレイなら、遠くからでも内容を視認できるでしょう。
デジタルサイネージを店舗の看板として利用すれば、時間帯に関わらず宣伝効果が期待できます。
■デジタルサイネージの仕組み

デジタルサイネージでコンテンツを表示する仕組みは、大きく2種類に分けることができます。
それぞれ仕組みや使い方、メリットが異なるため、違いを知っておくことが重要です。デジタルサイネージの仕組みごとの特徴は、以下の通りです。
・スタンドアロン型
スタンドアロン型は、作成した動画や静止画のデータが入ったUSBメモリやSDカードを本体に挿し込み、コンテンツを再生するタイプです。
機器がネットワークに接続されている必要がないので、基本的にはディスプレイとデータが入った記録メディア、ディスプレイスタンドがあれば運用できます。設置工事などが不要で操作も簡単など、導入しやすいのがメリットです。
ただし、スタンドアロン型では、複数端末で表示している内容の同時変更はできません。内容を更新する際は毎回新しいデータを読み込ませる必要があるため、短時間で何度もコンテンツを更新する用途には不向きです。
1台だけデジタルサイネージがあれば良い、表示するコンテンツの更新頻度が少ないといった場合に適しています。
・ネットワーク型
デジタルサイネージをネットワークに接続して使用するタイプです。表示するコンテンツはインターネットを通じて配信するので、ディスプレイが複数個所に設置されていても、遠隔操作で一度に表示内容を変更できます。
デジタルサイネージの管理方法から、自社内に配信用のサーバーを設置して運用する「オンプレミス型」と、クラウド環境を利用する「クラウド型」の2種類に分けられます。
配信を行う際は、インターネット接続やコンテンツを受信する機器といった設備が必要ですが、遠隔操作や予約配信が行えるので、運用の手間はかかりません。
たくさんのデジタルサイネージを一括管理したい場合や、状況に合わせて頻繁に配信内容を変更したい場合におすすめです。
■デジタルサイネージの使い方の一例

近年、デジタルサイネージはさまざまな方法で活用されています。活用方法の一例をご紹介するので、導入時の参考にしてみてはいかがでしょうか。
・広告配信
飲食店や小売店などでは、季節のおすすめ品やセール品をデジタルサイネージに表示させると、商品の宣伝広告として活用できます。複数の商品を併せて紹介したり、タイムセールなど時間に応じて内容を変化させたりする運用も可能です。
また、適宜内容を変更していけば、紙のポスターだけを使うよりも多くの商品を告知できるでしょう。広告に音や動きといった要素が加わることで、五感に訴えかけやすい点もメリットです。
・情報提供
配信内容の差し替えを簡単に行えるネットワーク型のデジタルサイネージなら、情報提供ツールとしても活用可能です。一例として、天気予報や災害情報といった緊急性の高いニュースを配信したり、施設案内を表示したりといった使い方が考えられます。
オフィスや店舗の場合、社内で共有しておきたい情報をデジタルサイネージで配信するのもおすすめです。資料の印刷や配布といった手間が省け、より素早く情報共有を行えます。
・空間演出
商業施設やレジャー施設などでは、広告や情報発信だけでなく、空間演出の一環としてもデジタルサイネージが使われています。施設に即した映像を流したり、プロジェクションマッピングを活用して幻想的な演出を行ったりすれば、場の雰囲気を大きく変えられるでしょう。
その場にいるユーザーを楽しませたり感動を与えたりできるだけでなく、話題性を集めることでさらなる集客につながる可能性もあります。
■デジタルサイネージを活用しよう
デジタルサイネージは、映像や音声などを活用してさまざまな情報を紹介できるアイテムです。紙媒体とは異なり内容の差し替えが容易で、状況に応じて内容を変更するなど、ユーザーニーズに沿った訴求を行いやすくなるというメリットがあります。
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