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仕切り価格とは?意味と価格設定戦略5選

仕切り価格

※この画像は生成AI(ChatAI)を使用して作成しています

仕切り価格は、生産者が卸売業者に対して商品を販売する際の価格です。適切な仕切り価格を設定することで、生産者・卸売業者・小売業者の全てが適正な利益を確保し、円滑な商取引を実現できます。コラムでは、仕切り価格の意味、生産者・卸・小売の関係性、価格設定の戦略、事例や最新情報についてお伝えします。

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【目次】

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■仕切り価格とは?

仕切り価格とは、生産者が卸売業者(小売業者)に対して商品を販売する際の価格のことです。卸売業者(小売業者)は仕入れた商品に利益を上乗せして販売するため、仕切り価格は小売価格のベースとなります。仕切り価格は、業界や商品、取引量、取引条件、為替レート、原材料価格の変動、競合他社の価格設定、季節要因、プロモーションなど、様々な要因によって影響を受けます。

■生産者と卸売業者の利益の関係

生産者と卸売業者の利益は、仕切り価格によって大きく左右されます。生産者は、製造コストと利益を考慮して仕切り価格を設定します。卸売業者は、「生産者から仕入れる価格(仕切り価格)」と、「小売店に販売する価格」の差額が利益となります。そのため、生産者と卸売業者は、互いの利益を確保できるよう、適切な仕切り価格を設定する必要があります。

■定価、上代、下代の違い

定価: 生産者が設定する希望小売価格のことです。小売業者は定価を参考に販売価格を決定します。
上代: 生産者や卸売業者が、販売者に対して希望する商品販売価格のことです。
下代: 小売業者や卸売業者が仕入れる価格のことです。仕切り価格と同等の意味で使われます。

「仕切り価格」と呼ぶか「下代」と呼ぶかは業界や会社の慣習によって異なります。
筆者のいる会社では「仕切り価格」はあまり聞かず、「上代」「下代」「掛け率」で話をすることが多いように思います。

■掛け率の意味と計算方法

掛け率とは、販売価格(小売価格)に対する仕入価格(仕切り価格)の割合を指します。パーセンテージ(%)で表され、「○掛け」という表現もよく使われます。掛け率は、業界や商品、販売戦略などによって異なります。

掛け率の計算方法:

掛け率=仕切り価格÷販売価格×100

例えば、販売価格が1000円の商品を6掛け(掛け率60%)で仕入れる場合、仕切り価格は600円になります。

■業界ごとの仕切り価格の相場

仕切り価格は、業界や商品、取引量、取引条件などによって大きく異なります。一般的には、競争が激しい業界や商品は仕切り価格が低く、競争が緩やかな業界や商品は仕切り価格が高くなる傾向があります。

業種 商品例 仕切り価格の相場
食品 カップラーメン 定価の6~7割
飲料 ペットボトル飲料 定価の5~6割
衣料品 Tシャツ 定価の4~5割
家電 テレビ オープン価格

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■戦略1: 需要と供給に基づく価格設定

・市場の需要を分析する

需要と供給のバランスに基づいて仕切り価格を設定することは、収益を最大化する上で非常に重要です。市場調査や顧客分析を通じて、ターゲット顧客のニーズ、購買意欲、価格感度などを把握しましょう。需要予測ツールなどを活用するのも有効です。

・供給量の調整と価格設定

需要に対して供給量が不足している場合は、仕切り価格を引き上げて調整します。逆に、供給過多の場合は、仕切り価格を引き下げて販売を促進します。ただし、極端な価格変更はブランドイメージを損なう可能性があるため注意が必要です。

・競合他社との価格比較

競合他社の価格や販売戦略を分析することも重要です。競合よりも低い価格設定は魅力的ですが、価格競争に陥る可能性もあります。品質やブランド価値で差別化を図りつつ、戦略的な価格設定を目指しましょう。

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■戦略2: 取引先との関係性を活用する

・長期取引による価格交渉

長年の取引実績がある場合は、仕切り価格の交渉がしやすい場合があります。取引量や支払条件を見直すことで、より有利な条件を引き出せる可能性があります。

・信頼関係の構築と価格設定

取引先との良好な信頼関係は、価格交渉を円滑に進める上で重要です。日頃からコミュニケーションを密に取り、互いにとってメリットのある取引条件を検討しましょう。

・取引条件の見直しと価格設定

取引量、支払条件、納期など、取引条件を見直すことで、仕切り価格の調整が可能になる場合があります。例えば、大量発注や早期支払いに応じて、割引を適用するなどの交渉が考えられます。

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■戦略3: 価格管理の効率化

・価格設定ミスの防止

価格設定のミスは、大きな損失につながる可能性があります。価格設定の際には、複数人でダブルチェックを行うなど、ミスを防ぐための体制を構築しましょう。

・ITシステムの導入による自動化

Excelなどを使った手作業による価格管理は、ミスが発生しやすく非効率です。専用の価格管理システムを導入することで、価格設定の自動化やリアルタイムな更新が可能となり、業務効率化とミス防止に繋がります。

・リアルタイム更新の重要性

市場環境や競合の状況は常に変化しています。仕切り価格も、常に最新の情報に基づいて見直す必要があります。価格管理システムなどを活用し、リアルタイムに情報を更新できる体制を整えましょう。

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■戦略4: 複数の卸価格の設定

・需要の変動に応じた価格設定

商品やサービスの需要は、時期やトレンドによって変動します。需要が高い時期は仕切り価格を引き上げ、需要が低い時期は仕切り価格を引き下げるなど、柔軟な価格設定を行うことで利益を最大化できます。

・取引条件に応じた価格設定

取引量や支払方法など、取引条件によって異なる仕切り価格を設定することも有効です。例えば、大量発注には割引価格を適用する、早期支払いに応じて価格を優遇するなどの方法があります。

・卸売業者の利益率の最大化

卸売業者ごとに異なる仕切り価格を設定することで、それぞれの販売力や顧客層に合わせた価格設定が可能になります。これにより、卸売業者の販売意欲を高め、結果的に利益率の最大化に繋げることができます。

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■戦略5: オープン価格の導入

・家電業界におけるオープン価格の事例

オープン価格とは、生産者が希望小売価格を設定せず、販売店が自由に価格を設定できる方式です。家電業界をはじめ、多くの業界で採用されています。消費者は価格競争の恩恵を受ける可能性がある一方、価格の不透明性や比較の手間といったデメリットも存在します。

・消費者の反応と販売価格の調整

オープン価格の場合、消費者の価格に対する反応を見ながら、販売価格を柔軟に調整することができます。価格比較サイトなどを活用して、消費者の動向を常にチェックすることが重要です。

・オープン価格導入のメリットとデメリット

メリット:
販売店の裁量で価格設定ができるため、競争が促進され、消費者はより安く商品を購入できる可能性がある。
市場状況に合わせて柔軟に価格を調整できるため、生産者は需要変動のリスクを軽減できる。

デメリット:
価格競争が激化し、販売店の利益が圧迫される可能性がある。
価格の不透明性により、消費者が混乱する可能性がある。

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■まとめ

仕切り価格は、生産者・卸売業者・小売業者の全てにとって、事業の成功を左右する重要な要素です。適切な仕切り価格を設定することで、それぞれの企業が適正な利益を確保し、持続可能なビジネスモデルを構築し、消費者へ商品を安定的に供給することができます。市場環境や競合状況、自社の経営戦略などを総合的に考慮し、価格設定の5つの戦略を参考に、自社のビジネスに最適な仕切り価格戦略を構築し、実践と検証を繰り返すことで、更なる利益率の向上を目指しましょう。

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