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家具などに使われる「MDF」とは? 環境に優しい素材の特徴をご紹介

MDF

家具や什器など、幅広いシーンで使われている素材に「MDF」というものがあります。近年は、環境に優しいエコ商材としても注目を集めている素材のひとつです。しかし、具体的にどのような素材なのかよくわからないという方が多いかもしれません。MDFは、どのような特徴を持っているのでしょうか。
ここでは、MDFの概要や特徴、使用する際の注意点などをご紹介します。

【目次】

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■MDFとは?

MDF

MDF(エムディーエフ)は、「Medium Density Fiberboard(ミディアム デンシティ ファイバーボード)」の略で、日本語では「中質繊維板」や「中密度繊維板」などと訳されます。木材の原料チップを粉状に繊維化してから成形した板を総称してファイバーボードといい、ファイバーボードは密度、用途及び製法によって

・中質繊維板(MDF)
・硬質繊維板(ハードボード)
・軟質繊維板(インシュレーションボード)
の3つに分けられます。

■MDFの特徴

木製商品

MDFは、カーテンボックスやカラーボックスといった家具、システムキッチンの扉、スピーカーのキャビネットなど、幅広いシーンで使われている素材です。ストア・エキスプレスオリジナル商品でも、棚板やテーブル天板など多くの「木製」商品の素材として使用しています。しかし、具体的にどのようなメリットを持っているのでしょうか。MDFの持つ特徴をご紹介します。

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・優れたリサイクル性

MDFは、製品を加工する際に発生する端材や間伐材、廃材といった再利用資源を使って作ることができます。MDFを作るためだけに森林伐採を行う必要がなく、SDGsや環境問題にも配慮できるリサイクル性の高いエコな素材です。
また、本来なら廃棄するはずの材料から作られていることもあり、手頃な価格のものが多い点も魅力のひとつです。

・高い汎用性

一般的な木材と同様に、MDFはカットや穴あけといった加工を行いやすい素材です。また、適度な強度を持ち合わせているため、キーホルダーなどの小物から建材まで、さまざまな用途で使える高い汎用性を備えています。レーザー加工による彫刻なども可能です。

・品質の安定性

天然木は場所によって密度が異なり、場合によっては加工中に割れなどが発生することもあります。一方で、繊維化した木材を固めて作るMDFは、材質の密度が均一で割れにくいです。
また、表面や断面も隙間がなくなめらかに作られていて、彫刻や曲面加工などを施しても、きれいに仕上げられます。

■MDF使用時の注意点

工具

優れた特性を持つ一方で、MDFは湿気に弱い素材です。湿度の高い場所で使用したり水に濡れたりすると、カビや腐食が発生する可能性があります。塗装などのコーティングを施し、防水対策を行うことが重要です。

また、面方向なら問題ありませんが、木口(切断面)にくぎ打ちを行うと割れが生じる場合があります。ねじもつけ外しを繰り返すと、繊維が崩れてねじ山がつぶれる場合があるので、使用の際は注意しましょう。

■MDFの種類

MDF

MDFは、表面の状態や素材品質などから、JIS(日本産業規格)でいくつかの種類に分けられています。JISにおけるMDFの区分をご紹介します。

・表面の状態による区分

MDFは、表面の種類や用途に応じた区分がなされていて、大きく一般用途の「普通MDF」と建築材料用に密度が高めに設定された「構造用MDF」の2種類に分けられます。
また、普通MDFの中でも表面が素地の状態のものは「素地MDF」、表面にフィルムを接着したものや模様をつけた柄物などは「化粧MDF」と呼ばれます。
ストア・エキスプレスオリジナルの木製商品の多くは、「普通MDF」の表面に加工を施した「化粧MDF」を使っています。

・ホルムアルデヒド放散量による区分

ホルムアルデヒドとは、シックハウス症候群の原因となる化学物質のひとつです。MDFなどの合板に含まれる接着剤の原料が主な発生源で、社会問題となったことを踏まえて、2003年以降は法律で規制されています。

MDF材は、ホルムアルデヒドの放散量によるランク分けが行われています。放散量はアルファベットのFと星の数でランク分けされ、什器や家具にはホルムアルデヒド放散量が最も少ない「F☆☆☆☆(エフフォースター)」区分のMDFが使用されます。
以下のランクだと、F☆☆やF☆☆☆は規定の面積内なら使用可能ですが、F☆は建材として使用できません。
ストア・エキスプレスオリジナル商品は、F☆☆☆☆相応のMDFを使用しています。

また、ホルムアルデヒド放散量以外にも、難燃性や曲げ強さ、接着剤の種類などによって区分されています。

・サイズによる区分

MDFは、標準的な形状や寸法もJISで規定されています。一般用途の普通MDFで、JISによって規定されている厚さや幅は以下の通りです。

【普通MDFのサイズ(単位:mm)】MDFサイズ表

幅や長さが910mmや2,420mmといった半端な数字になっているのは、尺貫法(しゃっかんほう)という単位で測っていたものをミリに直しているのが理由です。1尺は約30.3cmなので、例えば4尺×8尺なら1,210mm×2,420 mmとなります。

■MDF材をきれいに加工する方法

くぎ

DIYなどの際にMDFを必要な大きさにカットしたり、表面塗装を施して色をつけたりしたいシーンも考えられます。MDF材をきれいに加工するには、カットや塗装のコツを知っておくことが重要です。
DIYなどの用途でMDF材を加工する際のコツを、カットと塗装に分けてご紹介します。

・カットする際のコツ

MDF材は、密度が高く強度に優れる素材です。薄いボードならカッターで切ることもできますが、何度も切れ込みを入れなければならず、時間や労力がかかります。スムーズにカットするために、のこぎりなどを用意しておくのがおすすめです。

通常の木材と異なり木目がなく、中の繊維も均質なので、切りたい場所に鉛筆などで線を引いて、それに沿って切り進めれば簡単にカットできます。のこぎりを動かしている最中にMDF材がズレるのを防ぐために、しっかりと固定するのがポイントです。

・塗装する際のコツ

MDF材は吸水性が高く湿気に弱いため、塗装の際は下地を使用しましょう。直接塗装を行うと、発色が悪くなりきれいに仕上がりません。MDFを塗装する際の手順とコツは、以下の通りです。

【MDFを塗装する手順】
1.サンディングシーラー(下地)を塗る
最初に、サンディングシーラーと呼ばれる下地を薄く塗っていきます。1回だけだと効果を得にくいので、何度も塗り重ねるのがポイントです。下地が乾いたら薄く塗り直す作業を何回か繰り返しましょう。

2.表面を整える
塗り重ねたサンディングシーラーが乾ききったら、サンドペーパーなどでヤスリがけを行い、表面をきれいに整えましょう。表面を整えることで、塗装作業が行いやすくなります。ただし、角を削りすぎると下地が削れてしまうので注意が必要です。

3.塗料を塗る
表面を整えたら、塗料を塗っていきます。サンディングシーラーと同様に、何度も薄く塗り重ねてください。スプレーやラッカー、ローラーなど、塗装の方法はどれでも問題ありません。

4.ニスを塗り仕上げる
塗料が乾燥した後にニスを重ね塗りすると、色持ちを良くできます。サンドペーパーで表面を整えたら、ニスを塗りましょう。重ね塗りの際は、1日ほど乾かしてから塗るようにします。
ニス塗りも終わったら、再び細かい目のサンドペーパーで表面を磨き直すと、きれいな仕上がりになります。

■MDF製のアイテムを活用しよう

間伐材や廃材から作られるMDFは、加工が容易で汎用性も高い、比較的安価なものが多いなど、優れた特徴を持つ素材のため、ストア・エキスプレスオリジナルの木製商品にも多く使われています。 家具や什器などの幅広い用途で使われているほか、資源のリサイクルにもつながるため、環境に優しい素材として、SDGsや環境保護の観点からも注目を集めつつあります。
ストア・エキスプレスでは、MDFのメリットを活用したさまざまなオリジナルの木製商品を販売しています。ぜひ一度、手に取って見てください。

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