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什器などに使われるクロームメッキの魅力とは? お手入れ方法も併せて解説

什器

店舗で使われる什器や自宅のインテリアなどは、素材の表面に特殊な処理を施して見た目を美しくしたり、機能性を持たせたりしているものが多いです。
表面処理にはいくつか種類がありますが、その中のひとつに「クロームメッキ」と呼ばれるものがあります。身近でも使われている表面処理ですが、具体的にどのようなものなのかご存知ない方も多いかもしれません。

ここでは、什器などを使う際に知っておきたいクロームメッキの概要や種類ごとの特徴、お手入れ方法などをご紹介します。

【目次】

■クロームメッキとは

蛇口

「メッキ」とは、素材の表面に金属の被膜を作る表面処理の一種です。亜鉛メッキや金メッキ、銀メッキなど、使用する金属によって複数の種類があります。
クロームメッキ(クロムメッキ)は、名前の通りクロム(Cr)という金属を用いたメッキ処理のことです。クロムは大気中で酸素と結合すると透明で薄い被膜を表面に生成するため、耐食性や硬度が増し、透明感のある美しい光沢も得られます。

その特徴をいかして、水道の蛇口やトイレのパイプといった水回り、自動車のホイール、工業製品、インテリア、店舗什器など、身近な場所で多く使われています。

■クロームメッキの魅力

フライヤー

メッキ処理にはいくつか種類がありますが、クロームメッキは多くの魅力があることから、ハンガーパイプやフック、店舗のカート、水道の蛇口などに広く使われています。
では、具体的にどのようなメリットをクロームメッキは備えているのでしょうか。クロームメッキの魅力を、3つご紹介します。

・見た目が美しい

表面処理としてクロームメッキを施すと、銀白色(シルバー)のなめらかで美しい色合いと、高い光の反射率による光沢感を備えた見た目を得られます。装飾性が高く、アクセサリーなどに使われることも多いです。
また、クロームメッキを施したアイテムを活用すれば、清潔感や高級感を生むこともできます。

・サビにくい

見た目が悪くなる、触れた際に付着するなど、アイテムがサビてしまうとさまざまなデメリットが発生します。
しかし、クロームメッキで表面処理をしたアイテムは、被膜が耐食性を高めてくれます。腐食が起こりづらく、サビにくい点も魅力のひとつです。クロームメッキを施せば、サビによる見た目の劣化などのトラブルを防ぐことができます。
また、アンモニアや硫化水素、炭酸ナトリウムなど、さまざまな化学薬品に対する耐食性を得られるのも特徴です。

・耐衝撃性・耐摩耗性に優れている

クロムは、銅や亜鉛といった金属に比べて硬度が高いという特徴も備えています。クロームメッキを施すことで、耐衝撃性や耐摩耗性を高められる点もメリットです。
製品が落下したりこすれたりしても傷がつきにくく、見た目の美しさを長く保てます。

この特性をいかして、工業製品だけではなく包丁などの調理器具やハンガーをかけるパイプ、店舗のショッピングカートなどにクロームメッキが施されることもあります。

■クロームメッキの種類

バイク

クロームメッキと一口にいっても、装飾クロームメッキや硬質クロームメッキなどの種類があり、製品の用途やメッキ処理の目的によって使い分けられています。
クロームメッキの種類とそれぞれの特徴は、以下の通りです。

・装飾クロームメッキ

銅メッキやニッケルメッキを施した後に、仕上げとしてクロームメッキで表面処理を行ったものが装飾クロームメッキです。一般的に、クロームメッキというと装飾メッキのことを指します。被膜の厚さは0.1~0.5μm(マイクロメートル・1mmの1,000分の1)以下程度のものが一般的です。

ストア・エキスプレスでは、装飾クロームメッキを施した商品が多数あり、屋内使用商品のクロームメッキの厚みについては0.1μm以上を基準としています。角バーやフック、シングルハンガーの中パイプ等、摩擦の多い商品に使用されています。

光沢感を得られることから、バイクや自動車の外観部品、ゴルフヘッド、アクセサリー、蛇口など、主に美観を保ちたい製品で行われます。
また、装飾性を高めるだけでなく、ニッケルメッキの耐食性を向上させる目的で行うこともあります。

ただし、耐摩耗性は小さめで、硬質クロームメッキに比べるとはがれやすい点には注意が必要です。 

・硬質クロームメッキ

厚い被膜を生成したものが硬質クロームメッキです。工業用クロームメッキとも呼ばれます。
一般的な装飾クロームメッキは被膜の厚さが0.1~0.5μmなのに対し、硬質クロームメッキは1μm以上と厚みがあり、硬度も高いです。メッキを厚くしてさらに耐久性を上げることもできます。

高い硬度や耐摩耗性を持つことから、自動車部品や油圧・空圧機器といった機械部品、工業製品などに行われます。

・黒クロームメッキ

化学反応を起こして表面を黒色にしたものが黒クロームメッキです。耐食性や耐熱性に加え、優れた熱吸収性も備えています。塗装を接着する力が高く、下地として使うことも可能です。

また、後処理としてワックスやシリコンで仕上げれば、表面にツヤを出すこともできます。
装飾目的で、自動車やバイクの部品、カメラの上蓋といった部分に使われたり、高い熱吸収性をいかして放熱部品として使われたりするメッキです。

ただし、色が黒いため、傷やメッキのムラなどが目立ちやすい点には注意が必要です。

■クロームメッキのお手入れ方法

ドアノブ

耐食性や耐摩耗性に優れたクロームメッキですが、美しさを長期間保ちたい場合は、メッキ専用のクリーナーなどを使ったお手入れが欠かせません。店舗什器にクロームメッキを施したものがある場合は、クロームメッキのお手入れ方法も知っておくと便利です。

【クロームメッキのお手入れ方法】
1.柔らかい乾いた布などにクリーナーをつける
2.布を滑らせるようにして表面を磨く
3.ワックスやメッキ用の保護剤を使い、表面をコーティングする

研磨剤などが含まれたクリーナーを使うと、サビたり塗装がはがれたりする原因になる恐れがあります。必ず専用のものを使用しましょう。

また、クロームメッキを施した製品はサビにくいものの、絶対にサビないわけではありません。万が一サビてしまった場合は、ブラシや研磨剤で錆びた部分を削り落としてください。
ただし、傷がつく恐れがあるので、サビを落とす際は注意が必要です。

■クロームメッキの保管方法

ネットカゴ

前述の通り、クロームメッキは耐食性が高くサビにくいものの、使用状況や保管の仕方によってはサビてしまう恐れがあります。クロームメッキの表面には小さな穴があいていて、そこから雨水などが入り込むことで、下地からサビが発生するためです。

雨に打たれる可能性がある屋外や、湿度が高い場所に放置するのは避けましょう。保管する場合は、できるだけ湿度が低い場所を選ぶか、屋外に置く場合はカバーなどを使って雨に当たらないよう配慮することが大切です。

また、耐衝撃性に優れているものの、衝撃を与えすぎるのは避ける必要があります。できるだけアイテム同士をぶつけないように設置するなど、他のアイテムとの位置関係を考えることもポイントです。

■美しい光沢のクロームメッキを上手に活用しよう

クロームメッキは、銀白色の光沢など、製品の見た目を美しくできる表面処理です。耐食性や耐衝撃性、耐摩耗性などにも優れているなど、製品の機能性を高めることもできます。

ただし、小さな穴があいているという特性上、状況によってはサビてしまうことも考えられます。湿度が低い場所に置く、定期的に専用のクリーナーで表面を磨くなど、お手入れや保管方法には注意が必要です。
さまざまなメリットがあるクロームメッキを施した製品を、活用してみてはいかがでしょうか。

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