GW期間中の休業について

節分とは? 節分の由来や豆まきを行う理由をご紹介

節分と聞くと、「鬼は外、福は内」と叫びながら鬼に向かって豆を投げる「豆まき」が思い浮かぶ方が多いでしょう。日本人には非常に馴染み深い文化のひとつですが、節分がいつ始まったのか、なぜ豆まきを行うのかなど、由来についてはご存じでしょうか?
ここでは、節分の由来や豆まきを行う理由など、伝統行事を楽しむために知っておきたい点をご紹介します。

【目次】

■「節分」とは?

福豆と千代紙

現在は2月の頭に行われる行事というイメージが強い節分ですが、本来は「季節の節目である、立春・立夏・立秋・立冬の前日」のことを指す言葉です。つまり、節分は1年に4回あることになります。

現在使われている新暦(グレゴリオ暦)では1月1日になると新年を迎えますが、旧暦(太陽太陰暦)では現在の立春を境に新年が始まっていたため、春の節分は大晦日に当たる特別な日でした。
4つの季節の節目(節分)で 最も重要視された結果、春の節分だけが行事として残るようになったとされています。

また、2月3日に行われる印象が強い節分ですが、立春の日付は「太陽黄経が315度になる日」と定められています。太陽黄経とは、太陽が天球上を通る経路(黄道)を、春分の地点をゼロ度と定めて360度に等分した座標のことです。
立春の具体的な日付は天体の動きによって変わるため、節分が2月3日以外になることもあります。直近の例だと、2021年は124年ぶりに2月2日が節分になりました。

■節分の由来

節分祭

節分の由来は、古代中国にあるとされています。古くから、季節の変わり目には邪気が入り、悪いことや予期せぬことが起こりやすいと考えられていました。
そこで、邪気を払い無病息災を願う目的で節分の日に行われていたのが、邪気の象徴である鬼を追い払う「追儺(ついな)」と呼ばれる行事です。

この行事は平安時代頃になると日本に伝わり、宮中行事として取り入れられます。その後、宮中行事としての追儺は廃れていきますが、日本各地の寺社が行事を継承し、庶民にも広がっていきました。

■豆まきをする理由と豆のまき方

豆まき

節分といえば、豆まきを思い浮かべる方が多いはずです。しかし、なぜ豆まきでは炒り大豆をまくのでしょうか。豆まきの由来と正しい豆まきのやり方をご紹介します。

豆まきの由来

豆まきには、鬼(邪気)を打ち払う意味と、豆を投げ与えて静まってもらうという意味が込められています。では、なぜ豆まきを行うようになったのでしょうか。

中国で行われていた追儺では、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる人が、桃の木で作った弓矢で鬼を追い払っていました。当初は鬼を追い払う役割を持っていた方相氏は次第に鬼として追われるようになり、豆まきの原型になったといわれています。
具体的に豆まきがいつ頃始まったのかは定かではありませんが、南北朝時代(1336~1392年頃)には行われていたとされています。

当初は豆まきではなく「豆打ち」として行われていたそうです。
豆を「打つ」のではなく「まく」に変化したのは、農民の豊作を願う気持ちが反映し、畑に豆をまく行為を表現しているからというのが理由です。
また、炒った大豆を使うようになった理由には、以下のような説が挙げられることが多いです。

正しい豆まきのやり方

地域などによって若干違いはあるものの、豆まきには正しいやり方があります。由来と一緒に覚えておきましょう。

【豆まきのやり方】
1.炒り豆を神棚に供える(神棚がない場合は南の方角に置く)
2.すべての窓や玄関の扉を開ける
3.玄関または入り口から遠い部屋から順番に、窓や扉の外に向かって「鬼は外」と大きな声で唱えながら豆をまく
4.まき終わった場所の窓や扉は、鬼が入って来るのを防ぐため、すぐに閉める
5.「福は内」と唱えながら、室内に豆をまく
6.玄関まで豆まきを繰り返す
7.自分の年齢と同じ数だけ、または自分の年齢よりも1個多くの豆(年取り豆)を食べる

鬼は深夜に来るとされるので、豆まきは午後8~10時頃に行います。難しい場合は昼間に行っても問題ありません。最後に食べる豆の数は地域によって異なるので、事前に確認しておくと安心です。

また、拾い忘れた豆から芽が出ると良くないことが起きるといわれているため、ただの大豆ではなく炒った大豆を利用するようにしましょう。

■豆まき以外に節分で行われること

恵方巻

節分では、豆まき以外にも定番の風習がいくつかあります。それぞれの意味や由来などをご紹介するので、節分の際に行ってみてはいかがでしょうか。

恵方巻を食べる

「恵方(福徳を司る歳徳神がいる、縁起の良い方向)を向いて丸かぶりして、最後まで無言で食べ切れば願いが叶う」とされているのが恵方巻です。1本巻なのは「縁を切る」ことがないように、無言で食べるのは「話すと縁が逃げていくから」という考えに由来します。
関西地方発祥の風習ですが、日本全国に広まっていて、節分の定番となっています。

恵方巻に使う具は特に決まっていないものの、七福神にちなんで7種類の具材を入れるのが一般的です。

【恵方の方角は?】
恵方巻はその年の恵方を向いて食べると良いとされています。恵方は年によって方角が変わるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

恵方図

2023年 →南南東
2024年 →東北東
2025年 →西南西
2026年 →南南東
2027年 →北北西
2028年 →南南東
2029年 →東北東

柊鰯を飾る

柊(ヒイラギ)の枝に焼いた鰯(イワシ)の頭を指して作る「柊鰯(ひいらぎいわし)」を、玄関などに飾るのも定番です。主に関西地方で行われている風習で、地域によっては、焼嗅(やいかがし)や柊刺しと呼ばれる場合もあります。

古くから日本では、とがったものやにおいの強いものは、魔除けの効果があるとされてきました。柊鰯は、柊のとがった葉っぱと柊のにおいで、鬼が家に入って来るのを防ぐ目的の飾り物で、平安時代から風習として行われていたそうです。

■地域によって異なる節分の風習

落花生

節分といえば豆まきや恵方巻が一般的ですが、地域によっては独自の風習が残っていることもあります。地域ごとの代表的な節分の風習の例は、以下の通りです。

【こんにゃくを食べる】
古くから、こんにゃくは体内をきれいにする食べ物として、大晦日や節分などの節目の日に食べられてきました。四国では、こんにゃくを食べて体内をきれいにする「砂下ろし」を行う地域があります。

【お蕎麦を食べる】
節分は旧暦における大晦日に当たります。島根県や長野県などでは、今でも縁起担ぎとして「節分そば」を食べる風習が残っています。
また、縁起の良い食べ物として、主に関東地方の一部に、けんちん汁を食べる地域もあるそうです。

他にも、縁起が良い食べ物としてクジラや麦飯を食べる地域などもあるとされています。地域による節分の風習の違いを調べてみるのも、面白いかもしれません。

■節分についてより深く知ろう

豆まきや恵方巻のイメージが強い節分ですが、元々は邪気を払って無病息災を願う目的で行われていた行事がルーツにあります。節分の由来や風習の意味を知ることで、より節分を楽しめるようになるでしょう。

また、地域によっては落花生で豆まきを行ったり、お蕎麦を食べたりと、独自の風習が残っている場合もあります。それぞれの違いや由来を調べてみるのもおすすめです。

お店のことならストア・エキスプレス