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ジャンブル陳列の特徴とは? メリットや陳列する際のポイントを押さえておこう

かごの中のお菓子

実店舗において、来店した顧客に商品を購入してもらうためには、陳列方法を工夫して、商品を魅力的に見せる必要があります。陳列方法にはさまざまな種類がありますが、その中でもスーパーやドラッグストアといった店舗で広く活用されているのが「ジャンブル陳列」です。
しかし、ジャンブル陳列は特徴を踏まえて行わないと、効果が見られない可能性もあります。
ここでは、ジャンブル陳列の概要やメリット・デメリット、実際に陳列する際のポイントなどをご紹介します。

【目次】

■ジャンブル陳列とは

セール商品かご

ジャンブル陳列のジャンブル(Jumble)は、「ごちゃ混ぜにする」や「乱雑になる」といった意味を持つ英語です。文字通り、カゴやワゴンといった什器に、商品を投げ込むように陳列するのがジャンブル陳列です。投げ込み陳列と呼ばれることもあります。

整然と並べられた一般的な陳列方法に比べて、ジャンブル陳列は商品を手に取りやすいため、消費者の購買意欲を促進する効果が期待できます。
日常的にも、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなど、さまざまな小売店で見かける陳列方法のひとつです。

■ジャンブル陳列のメリット

端末と店員

ジャンブル陳列は、他の陳列方法にはないメリットを持っています。ジャンブル陳列を活用するメリットを、3つご紹介します。

陳列作業が簡単

ジャンブル陳列では、商品を陳列棚にきれいに並べる必要がありません。商品パッケージの裏表などは気にしないで、カゴやワゴンにそのまま投げ込めば良いため、短時間で作業を済ませることができます。

キャスター付きのワゴンを活用すれば、バックヤードに置いてある段ボールを開封して商品を流し込み、そのまま売り場に持って行くことも可能です。
顧客がいる場所で作業を行う必要がなくなり、売り場への商品の出し入れが簡単に行えます。

商品を目立たせられる

商品が乱雑に投げ込まれているため、見た目にインパクトを持たせられる点もメリットのひとつです。商品を目立たせることができるので、顧客の目を引きやすく、集客効果が期待できます。
高く積み上げるように陳列してボリューム感を出すと、さらに目を引くことが可能です。

お得感をアピールできる

商品の安さやお買い得感を顧客にアピールしやすい点も、ジャンブル陳列のメリットです。例えば、ショーケースなどに一つひとつ商品が入っている場合は、高級感が強く出るでしょう。

一方で、ジャンブル陳列ではたくさんの商品を大雑把に陳列しているため、安く売られているという印象が強くなります。お買い得品だと感じてもらいやすく、衝動買いやストック買いを期待することが可能です。
セール品のような、安さを売りにしたい商品の陳列に、特に適しているといえるでしょう。

    

■ジャンブル陳列のデメリット

ジャンブル陳列された商品かご

さまざまなメリットがあるジャンブル陳列ですが、投げ込むように陳列するため、商品に傷がついてしまう恐れもあります。お買い得感を訴求しやすい一方で、処分品や特価品という印象も持たれやすく、品質を訴求したい商品や高級な商品の陳列には向いていません。
什器内の商品が減ってボリュームが少なくなると、顧客の購買意欲が削がれる可能性もあるため、常に在庫数を確認して適宜補充することが重要です。

また、ジャンブル陳列にはワゴンやカゴ、バスケットといった専用の什器を使用します。設置場所によっては通路が狭くなり、動線に影響を与えてしまう点もデメリットのひとつです

    

■ジャンブル陳列を行う際のポイント

特価商品のかご

簡単に商品陳列を済ませられるジャンブル陳列ですが、効果を高めるためにはポイントを押さえて行うことが大切です。
ジャンブル陳列で活用したいポイントを3つご紹介します。

適した商品と組み合わせる

高級品がショーケースに入れられたり、ライトアップされたりして高級感を演出しているように、陳列方法ごとに適した商品は異なります。
ジャンブル陳列の場合は、広告の品やセール品、見切り品など、価格が比較的低めで、お得感をアピールしやすい価格帯の商品の陳列に最適です。

また、在庫の消化にも適しているので、在庫数を確保しやすい商品の販売に活用するのも良いでしょう。

まとめ買いを促す

ジャンブル陳列は、基本的には安く売られている商品で使われる手法です。売上を伸ばすために、商品のまとめ買いを促す工夫を行うようにしましょう。
例えば、「5個で400円」や「併せて購入すると10%引き」といった、複数の商品のまとめ買いを促す「バンドル販売」と組み合わせると、購買意欲アップが期待できます。
在庫数が多い、売れ行きがあまりよくないといった商品の陳列におすすめです。

ただし、まとめ買いをしてもらうためには、ある程度の商品数が陳列されている必要があります。補充や品出しを徹底することも大切です。

ゴールデンラインを意識する

消費者が商品を手に取りやすい範囲とされる、「ゴールデンライン(ゴールデンゾーン)」を意識するのもポイントです。ゴールデンラインに並べられた商品は視認率が高くなるため、顧客が手に取る可能性が上がります。
ゴールデンラインに明確な定義はありませんが、目の高さから視線が20度ほど下がる胸の辺りや、大人の場合は床上110~140cm程の位置が該当するとされています。

また、手書きPOPを活用して商品を目立たせる方法も有効です。

■ジャンブル陳列以外の陳列方法

       

ジャンブル陳列以外にも、商品陳列にはさまざまな方法があります。複数の陳列方法を活用して商品を訴求することが、売上を伸ばすうえでは重要です。        
代表的な陳列方法の例としては、以下が挙げられます。

    

アイランド陳列

紳士服店

壁面や通路などに沿って設置される一般的な陳列棚とは別に、台などの什器を店内の通路や入口付近に設置して商品を陳列する方法です。島陳列とも呼ばれます。
商品が目立ちやすく、どの方向からも手に取りやすいため、季節限定品や人気商品などを陳列するのに適しています。
ジャンブル陳列とアイランド陳列を組み合わせて、より特別感を演出するのもおすすめです

ただし、什器の大きさや設置場所によっては、通路が狭くなって回遊性に影響を及ぼす可能性があります。

    
    

スロット陳列

陳列棚の棚を取り外して大きな商品を置いたり、小さな商品を山積みにしたりする方法がスロット陳列です。視認性が高く購買意欲を高める効果が期待できるため、主に特売品の陳列方法として活用されます。
同じ商品を高く積み上げるので、通常は手にしにくい下段の位置も効率的にカバーすることが可能です。

    

エンド陳列

雑貨店の商品棚

エンドとは商品棚の端のことを指します。名前の通り、商品棚の両端に商品を陳列するのがエンド陳列です。エンドは顧客の目につきやすいメインの通路に面することが多いので、購買率の向上が期待できます。
新商品や季節限定品、トレンド品などを陳列するのがおすすめです。「クリスマス用品」や「今月のおすすめ商品」など、各エンドにつきテーマを1つに絞ることを意識すると良いでしょう。

■ジャンブル陳列で効果的な商品アピールを狙おう

ただし、陳列されている商品数が少ないと、効果が減ってしまいます。在庫数に気を配り、ボリューム感を出すことが重要です。
ジャンブル陳列を有効活用して、商品の売上アップにつなげてみてはいかがでしょうか。

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