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OPP袋の特徴や用途とは? メリットやCPPとの違いを押さえよう

OPP袋

商品を適切に保護するには、素材ごとの特徴を把握して、適した包装を使うことが大切です。店舗で販売する商品の包装には、プラスチックや紙、アルミシートなど、さまざまな素材が使われていますが、「OPP(オーピーピー)」と呼ばれる素材も、幅広い業界で多用されています。
では、OPPとは具体的にどのような特徴を備えた素材で、何を包むのに適しているのでしょうか。
ここでは、OPPの特徴や用途、「CPP(シーピーピー)」との違いなどをご紹介します。

【目次】

■OPPとはそもそも何?

OPP袋に入った商品

OPPは「Oriented Polypropylene(オリエンテッド ポリプロピレン)」の頭文字を取った略語です。日本語では「二軸延伸ポリプロピレン」と訳され、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)を縦横の2方向(二軸)に引っ張って作られた、透明なプラスチックフィルムのことを指します。
加工する際に、熱を用いて引き伸ばしながら素材を固めるため、パリパリとした質感で、コシを感じられるのが特徴です。

そのOPPを素材に作られた包装用の袋が、「OPP袋」です。透明袋やフィルム封筒と呼ばれることもあり、多くのシーンで活用されています。具体的な活用例は、以下のとおりです。

【OPP袋の活用例】
・軽量なDM(ダイレクトメール)のフィルム封筒
・湿気に弱いお菓子を入れる包装
・ポストカードやボールペンといった文具の包装
・本やCD、DVD、ゲームソフトなどの包装
・化粧品や装飾品の包装
・花や贈答品のラッピング など

■OPP袋の特徴

OPP袋に入れ陳列された商品

OPP袋は、さまざまな優れた特徴を備えていることから、多くの用途で使われています。OPP袋の特徴としては、以下の点が挙げられます。

透明度が高い

OPPは、非常に透明度が高いのが特徴です。袋に入れた商品の色や形をそのまま伝えることができるため、消費者に安心感を与えられます。
例えば、DMをOPP袋で包装すれば、消費者は開封することなく中身を把握できます。中身がわからない紙封筒のDMよりも安心感を覚えやすく、開封率の向上につながるはずです。

また、OPP袋には光沢があるため、商品の清潔感や高級感を演出できる点もメリットのひとつです。店舗に並べた商品をアピールする用途にも適しています。

引っ張りの強度が高い

素材そのものにコシがあるため、引っ張りに対する強度が高く、袋が伸びにくい点もメリットです。袋が伸びすぎて切れてしまうことは、基本的にはありません。

また、張りがありシワもできにくい、衝撃に強いといった特性もOPPは備えているので、商品を美しく包めます。
見た目が気になりやすい中古品の包装にも最適です。

印刷適性に優れている

OPP袋は印刷適性に優れていて、紙と同じように文字やイラストをきれいに印刷できるのも特徴です。印刷インクの乗りや発色が良いため、幅広いデザインに対応できます。
微細な濃淡を表現できるので、デザイン性の高い包装袋を使って商品をアピールすることが可能です。

また、OPP袋全体にピンクやブルーで薄く透明な色をつけて、おしゃれな袋を作るのもおすすめです。

防水性や防湿性が高い

OPP袋はプラスチックフィルムのため、水を通しません。防水性に優れていて、雨の日でも中身を水から守ることができます。
防湿性にも優れているので、お菓子や紙の印刷物など、湿気に弱いものを保護する用途にも最適です。水濡れの恐れがある水回りに設置する、アメニティの包装としても活用されています。

ただし、防水性や防湿性には優れているものの、空気を遮断するわけではない点に注意が必要です。生菓子のように、酸化によって大きく品質が変わる商品の包装には適していません。

コストが抑えられる

汎用性が高いだけでなく、コストが抑えやすい点も特徴のひとつです。同じサイズで比較した場合、紙封筒よりOPP袋の方が価格は安くなります。
紙封筒とは異なり、中身を入れ替えて再利用することも可能です。

さらに、加工に時間がかからないため、比較的すぐ手に入る点もメリットといえます。

■OPP袋のデメリット

デメリット

多くの優れた特徴を備えているOPP袋ですが、デメリットもいくつかあります。使用する際は、デメリットを踏まえておくことが重要です。

引っ張りに対して強度がある一方で、OPP袋は引き裂きに弱いです。切れ込みがあると、そこから裂けてしまう恐れがあります。引き裂けが発生する恐れがあるため、重たいものを入れる用途には適していません。
ある程度の耐熱性を持つものの、耐寒性は低いため、寒い時期や冷凍環境などでは強度が落ちる点にも注意が必要です。

また、OPPはヒートシール性が低い点もデメリットといえます。ヒートシール性とは、フィルム同士を熱で融着(接着)できる性質のことです。高いほど融着しやすく、低いほど融着しにくいということになります。
そのため、OPP袋は通常、ヒートシール性の高い素材と張り合わせたり、ヒートシール性に優れた素材をコーティングしたりして使用します。

■OPP袋とCPP袋の違い

OPP袋に入ったお菓子

OPP袋と見た目が似ていて、比較されることが多い包装用のアイテムに「CPP袋」があります。
CPPは、「Cast Polypropylene(キャスト ポリプロピレン)」の頭文字の略です。日本語では「無延伸ポリプロピレン」と訳され、OPPと同じくポリプロピレン樹脂で作られた透明なプラスチックフィルムのことを指します。

使われている素材は同じですが、CPPは縦横にフィルムを引き延ばす加工を行わないため、透明度はOPPよりも若干低いです。
ただし、フィルムに柔軟性があって引っ張ると伸びるため、引き裂きに強いという特徴を持っています。重たい商品を入れる場合は、引き裂きに強いCPP袋を使用するのがおすすめです。

また、耐摩耗性やヒートシール性、耐水性、耐油性にも優れており、お菓子の梱包資材としてもよく使われます。OPP袋と同様に低温には弱いので、低温環境での使用には注意しましょう。

■OPP袋とCPP袋の使い分け方

ラミネートされたパンフレット

OPP袋とCPP袋は、見た目こそ似ていますが、強みは異なります。どのような商品を入れたい のかに応じて、使い分けることが重要です。
それぞれの特徴を踏まえて、使い分け方をまとめると、以下のようになります。

【OPP袋の使い方】
OPP袋は非常に透明度が高いです。光沢感もあり、中身を美しく見せる効果が期待できるため、商品に高級感を出したい場合に適しています。
チラシを包むDM用袋として使用するのも良いでしょう。

また、OPP袋の一部に切れ込みを入れておけば、簡単に裂くことができます。防水性や防湿性の高さと裂きやすさを生かして、使い捨て割り箸や水回りのアメニティの包装としてもよく使われます。

【CPP袋の使い方】
CPP袋は、OPP袋に比べると耐久度が高く裂けにくいため、厚みのある冊子やカタログなど、重たいものを入れる用途に適しています。
袋に強い力が加わり裂ける恐れがある場合は、中身をしっかり守ってくれるCPP袋を使うのがおすすめです。

また、耐水性や耐油性の高さを生かして、紙製容器の内部フィルムとしても活用されています。

■OPPのメリットを上手に活用しよう

OPP袋に入ったシャツ

透明度が高く光沢感もあるOPP袋は、中に入れた商品を美しく見せることができます。メリットを踏まえて上手に活用すれば、商品の売上向上も期待できるでしょう。
高い印刷適正を備えながら、紙製の包装袋よりもコスト面に優れている点もメリットです。

ただし、引き裂きに弱い、ヒートシール性に劣るなど、欠点がないわけではありません。透明度よりも強度を求める場合はCPP袋を使うなど、用途に応じてその都度使い分けることが大切です。
商品の外見を生かした包装を行いたい場合は、OPP袋を活用してみてはいかがでしょうか。

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