GW期間中の休業について

緩衝材にはどんな種類がある? 素材ごとの違いと選定のポイント

段ボール箱に入った緩衝材

段ボールに商品を入れて輸送する際は、衝撃によって商品が破損する恐れがあります。輸送時に起こり得るトラブルを防ぐために、緩衝材を活用することが大切です。しかし、緩衝材には非常に多くの種類があるため、どれを選べば良いのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、商品の梱包に役立つ緩衝材の種類ごとの特徴や、選び方のポイントなどをご紹介します。

【目次】

■緩衝材の役割

梱包中の段ボール箱

緩衝材とは、商品や品物を衝撃から守るために使用する梱包資材のことです。
商品をそのまま段ボールや封筒などに入れると、輸送中の揺れや落下などが原因で傷がついたり、壊れたりする恐れがあります。
緩衝材を使って商品を包んだり、箱の隙間を埋めたりすれば、そのようなトラブルの発生を防ぐことが可能です。

また、商品を輸送する際は、衝撃に加えて水濡れにも注意しなければいけません。ビニールやポリエチレン素材の緩衝材で商品を包んだり、紙製の緩衝材で湿気を吸い取ったりして、商品が濡れるのを防ぐ用途でも緩衝材は活躍します。

■代表的な緩衝材の種類と特徴

気泡緩衝材

一口に緩衝材といっても、使われている素材や形状などから、多くの種類に分けることができます。種類ごとの特徴を押さえて、梱包したい商品や品物に適した緩衝材を使用することが大切です。
代表的な緩衝材の種類と、それぞれの特徴をご紹介します。

気泡緩衝材

気泡緩衝材は、空気の入った粒状の突起が片面を覆っている、ポリエチレンフィルム製のシートです。エアキャップやエアパッキン、エアークッションなどと呼ばれることもあります。
クッション性や軽さ、透過性に優れていて、商品を直接包んだり、丸めて隙間に埋めたりと、使い勝手が良いのが魅力です。水や湿気に強く、水濡れから商品を保護することもできます。
主に、割れ物や小物、精密機器の梱包用途で使われています。

巻き段ボール

名前のとおり、素材に段ボールを使用した緩衝材です。エンボス加工紙と呼ばれることもあります。
一般的な段ボールは、中芯と呼ばれる波型の紙の上下に平らな紙を貼り合わせた3層構造ですが、巻き段ボールは2層構造になっていて、柔らかいのが特徴です。巻いたり、折り曲げたりすることができるので、さまざまな形のものを包めます。

段ボールに入らない大型の家具や不定形の商品の梱包に適していますが、クッション性に劣るため、衝撃に弱い商品を梱包するのは避けましょう。

エアーピロー

ポリ袋の中に空気を入れた緩衝材です。ピロー(枕)やクッションのような形をしていて、箱と商品の隙間を埋める用途で使われます。耐久性やクッション性に優れていて、商品を確実に固定できるのが特徴です。
袋に穴をあければ小さくつぶすことができるので、廃棄しやすさにも優れています。

ウレタンフォーム

スポンジのような見た目で、クッション性や断熱性に優れているのがウレタンフォームの特徴です。表面が柔らかいので、電子機器やCDといった傷が付くのを防ぎたい商品の梱包に適しています。

バラ緩衝材

バラ緩衝材とは、コーンスターチやポリエチレンなどを主原料に作られた、繭や円筒のような形の緩衝材のことです。エアーピローと同じく隙間を埋める用途で使用しますが、一つ一つが小さいため、より小さな隙間や、複雑な形状の隙間を埋められます。

梱包後に中身が動く恐れがあるため、確実に固定する必要がある商品の梱包には向きません。

紙パッキン

紙を細かく裁断した緩衝材が紙パッキンです。ペーパークッションと呼ばれることもあります。紙は吸湿性がある素材なので、湿度に弱い商品の梱包に最適です。
また、緩衝材の中ではコストがかかりにくい、カラーバリエーションが豊富で美しさを演出できるといったメリットもあります。

ただし、クッション性が低いため、破損の恐れがある商品の梱包には不向きです。冷蔵や冷凍ものの梱包も避けた方が良いでしょう。

クラフト紙

紙パッキンと同じく紙製の緩衝材です。更紙(ざらがみ)と呼ばれる新聞紙の原紙を使用したものや、古紙を原料にしたものなどがあります。
丸めて隙間を埋めたり、商品を包む包装紙にしたりと、幅広い用途に対応できるのが魅力です。

また、紙製品で環境への負荷が少なく、廃棄が簡単な点もメリットです。
他の緩衝材より安価な点も特徴ですが、使用する量によってはコストがかさむことも考えられます。

発泡スチロール

プラスチック系の緩衝材で、軽さやクッション性、強度に優れているのが特徴です。商品をしっかり固定できるので、家電や電化製品など、衝撃に弱いものの梱包に適しています。

ただし、商品の形状に合わせて加工をする必要があるため再利用しにくく、コストもかかりやすい点に注意が必要です。スペースを取る、廃棄に手間がかかるといったデメリットもあり、用途は限られます。

ストレッチフィルム

ポリエチレン製のフィルムで、ラップのように商品を覆うことができる緩衝材です。荷崩れや水濡れ、汚れを防止する目的で使われています。
本やお皿、CDの梱包に使われる他、商品を段ボール板に固定することも可能です。

サイズが合っていないと荷崩れにつながる恐れがあるので、商品に適したストレッチフィルムを選ぶ必要があります。

ポリエチレンシート

発泡ポリエチレンで作られた、薄いシート状の緩衝材がポリエチレンシートです。ミラーマットと呼ばれることもあります。シート状でさまざまな形状の商品を包めるのが特徴です。
断熱性や防湿性にも優れていて、建築や農業の分野でも断熱材や保温材として利用されています。

ガラスやビン、陶器といった割れ物を包んだり、食器を重ねる際に間に挟み込んだりする際に広く使われている緩衝材です。

■緩衝材を選ぶ際のポイント

赤い緩衝材が入ったハートの化粧箱

緩衝材には多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。大切な内容物を保護するためには、用途に応じて選ぶことが大切です。
緩衝材を選ぶ際のポイントを、2つご紹介します。

商品や品物に合わせて選ぶ

緩衝材は、送りたい商品や品物に適したものを選ぶ必要があります。大まかな選び方のポイントは、以下のとおりです。

【本や小物】
本やCDといった薄い商品を梱包する場合は、気泡緩衝材やストレッチフィルムといった緩衝材を使用するのがおすすめです。コンパクトに梱包できるので、商品を守りながら配送にかかるコストを抑えられます。
アクセサリーやギフトといった小物を梱包する場合は、紙パッキンで高級感を演出するのも有効です。

【小さく衝撃に弱い商品】
食器や割れ物、小型の家電といった衝撃に弱い商品も、商品全体を覆えてクッション性にも優れた気泡緩衝材の使用が適しています。箱にぶつかって破損するのを防ぐために、紙製の緩衝材やエアーピローなども組み合わせて隙間を埋めると良いでしょう。

【大きく衝撃に弱い商品】
大型の家具や家電は、衝撃に強い発泡スチロールを専用の形に加工して、隙間ができないようにすると、しっかりと商品を保護できます。

【衝撃に強い商品】
衣類やバッグなど、衝撃で破損する恐れがない商品は、衝撃に強い緩衝材を選ぶ必要がありません。紙製の緩衝材を使用して、コストを抑えることができます。
水濡れを防ぐために、商品をポリ袋で包むこともポイントです。

【冷蔵や冷凍するもの】
冷蔵や冷凍で配送する食品類は、湿気が発生する恐れがあります。水濡れの恐れがあるため、水に強い気泡緩衝材などを使用してください。

コストバランスを考える

配送コストとのバランスを考えることもポイントです。商品を安全に運ぶために多くの緩衝材を使用すると、配送コストが高くなってしまいます。

ただし、緩衝材を使用する一番の目的は商品の保護です。コストが安い緩衝材を使用した結果、商品の破損がたくさん発生するのでは意味がありません。
使用している緩衝材の種類や量が適切か検証を行い、適切なコストでしっかりと保護できるものを選びましょう。

■最適な緩衝材で商品を守ろう

商品をそのまま箱に入れて配送した場合、顧客の手元に届くまでに商品が破損する恐れがあります。適切な状態で商品を届けるために、緩衝材は欠かすことができないアイテムといえるでしょう。

ただし、一口に緩衝材といっても多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。使用する場面や梱包したい商品に応じて、その都度使い分けることがポイントです。

お店のことならストア・エキスプレス