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ポリ袋・ビニール袋・ナイロン袋の違いとは?特徴を押さえた使い方と選び方

ビニール袋の束

商品の包装やゴミ袋、店舗のレジ袋など、「ポリ袋」はさまざまな場面で使われています。「ビニール袋」と呼ぶことも多いですが、実はポリ袋とビニール袋は全く異なるものだということをご存じでしょうか。
また、ポリ袋と一口にいっても、複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。ポリ袋を使いこなすには、種類ごとの特徴を押さえておくことが大切です。
ここでは、ポリ袋とビニール袋の違いや、ポリ袋に使われる材質ごとの特徴、選び方のポイントなどをご紹介します。

【目次】

■ポリ袋とビニール袋は何が違う?

2枚のポリ袋

ポリ袋もビニール袋も、どちらもプラスチック素材を原料に作られたものです。袋状に加工されていて、ものを包む用途で使える点も同じですが、何がどのように違うのでしょうか。
それぞれの特徴や主な用途は、以下のとおりです。

ポリ袋の特徴

ポリ袋は、「ポリエチレン(PE)」や「ポリプロピレン(PP)」を原料に作られています。素材によって透明度や光沢などは異なりますが、いずれも軽く加工しやすい点が特徴です。

一般的にポリ袋と呼ばれる袋の多くは、ポリエチレンで作られたものです。破けにくさや裂けにくさに優れていて、たくさんのものを入れる用途に適しています。
ポリ袋の主な用途は、以下のとおりです。

【ポリ袋の用途】
ゴミ袋、レジ袋、商品の包装、DM(ダイレクトメール)用の袋など

ビニール袋の特徴

ビニール袋は、「塩化ビニル樹脂(塩ビ)」を原料に作られています。石油から生成したエチレンと塩素を反応させて作ります。
塩化ビニル樹脂は軟質と硬質に分けられますが、ビニール袋の原料で使われるのは軟質のものです。ポリ袋に比べると軟質素材でも厚みがあり、広げれば自立させることができます。

【ビニール袋の主な用途】
ポーチ、ペンケース、水着を入れる透明袋 など

■ポリ袋がビニール袋と呼ばれる理由

ビニール袋から食品を取り出す主婦

店舗のレジ袋やゴミ袋など、日常的に目にする袋はポリエチレン(ポリプロプレン)で作られたポリ袋ですが、ビニール袋と呼ばれることも多いです。ポリ袋がビニール袋と呼ばれるのは、日本の歴史が関係しています。

日本でプラスチック製の袋が広まった当初は、塩化ビニル樹脂でできたビニール袋が使われていました。古くから流通していて呼び方が定着しているのが、ポリ袋がビニール袋と呼ばれる理由です。
近年は、燃やしても有害物質が発生しない、強度や耐熱性に優れるといった理由からポリ袋が広く使われていて、レジ袋やゴミ袋としてビニール袋が使われることはほとんどありません。

■ポリ袋の材質とそれぞれの特徴

クリップに吊るされたポリ袋の束

ポリ袋は、使われている素材がポリエチレンなのかポリプロピレンなのかによって、特徴が異なります。素材ごとの特徴を知っておくと、用途ごとに使い分けができて便利です。
ポリ袋によく使われている材質と、それぞれの特徴をご紹介します。

HDPE(高密度ポリエチレン)

HDPEは「High Density Polyethylene(高密度ポリエチレン)」の略で、「ハイデン」とも呼ばれます。材質の密度が高いので透明度は低く、手触りも硬めです。薄く加工できるうえに、耐寒性や耐熱性、伸びにくさなどに優れています。
ただし、引き裂きには弱く、少しでも切れ目が入るとすぐに破けてしまう点には注意が必要です。

主に、レジ袋や食品を入れるロール袋、薄手のゴミ袋などの用途で使われています。

LDPE(低密度ポリエチレン)

LDPEは「Low Density Polyethylene(低密度ポリエチレン)」の略で、「ローデン」とも呼ばれます。透明度が高く、しなやかで滑らかな手触りをしているのが特徴です。HDPEよりも裂けにくさに優れています。引っ張りには弱く、伸びやすい点に注意しましょう。
ゴミ袋やチャック付きの透明袋、買い物袋などが主な用途です。

LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)

LLDPEは「Linear Low Density Polyethylene(直鎖状低密度ポリエチレン)」の略で、「リニアローデン」とも呼ばれます。透明で柔らかく、質感はつるつるしています。
見た目はLDPEと似ていて判別しにくいですが、LDPEよりも強度やシール性(漏れや異物の侵入を防ぐ能力)に優れているのが特徴です。

引き裂きや引っ張りにも強く、重たいものを入れる用途に適しているため、お米や砂糖を入れる袋に使われています。
また、シール性の高さを生かして、ラミネート袋の材料として使われることも多いです。

OPP(二軸延伸ポリプロピレン)

OPPは「Oriented Polypropylene(オリエンテッド ポリプロピレン)」の略で、日本語では「二軸延伸ポリプロピレン」と訳されます。熱を用いて縦横の2方向に引っ張りながら素材を固めるので、パリパリとした質感やコシを感じられるのが特徴です。
透明度や防湿性、引っ張りに対する強さ、印刷適正の高さなど、数々の優れた特徴を備えていて、透明袋や商品の保護フィルムをはじめ、多くの用途で使われています。

ただし、OPPは引き裂きに弱いです。切れ込みがあると裂けてしまう恐れがあるので、重たいものを入れる用途には適していません。寒い場所では強度が落ちるため、使用する環境にも注意が必要です。
OPPについては、以下の記事でも詳しくご紹介しているので、併せてご確認ください。

CPP(無延伸ポリプロピレン)

CPPは「Cast Polypropylene(キャスト ポリプロピレン)」の略で、OPPと同じくポリプロピレンから作られる素材です。素材を引っ張る工程がないため、透明度はOPPよりも劣ります。
ただし、フィルムに柔軟性があって引っ張ると伸びるため、引き裂きには強いです。耐水性や耐油性にも優れているため、食品包装用の袋やDMを包装する袋などに適しています。

■ポリ袋は目的に応じて選ぶのがポイント

ポイントの積み木

上述のとおり、ポリ袋は素材によって性質が異なります。使用する目的に適したものを選ぶことが、ポリ袋を上手に活用するためのポイントです。

例えば、重たいものを包む場合は、強度に優れたHDPE製のポリ袋を用意すると良いでしょう。割り箸や串といった尖っているものを包む場合は、伸びやすく裂けにくいLDPE製のポリ袋が最適です。
中身を見せたい場合は透明度の高いLDPE製のポリ袋を、中身を隠したい場合は透明度が低いHDPE製のポリ袋を選ぶなど、袋の透明度も選ぶ際のポイントになります。

また、一般的な石油由来のポリ袋とは異なり、植物由来の成分で作られたポリ袋もあります。環境への影響を考える場合は、植物由来のものを選ぶのもおすすめです。
ただし、環境に悪いイメージがある石油由来のポリ袋ですが、焼却する際にダイオキシンなどの有害物質が発生するわけではありません。

■ナイロン袋とポリ袋の違いは?

レモン柄のショッピングバッグ

ポリ袋と同じく、石油を原料にした合成樹脂から作られている袋に、「ナイロン袋」があります。ナイロンは丈夫で裂けにくい、汚れにくく洗いやすい、染色しやすいなどの特徴を備えているため、エコバッグの素材に使われることが多いです。

関西地方ではレジ袋のことを指してナイロン袋と呼ぶ場合もあるようですが、一般的なレジ袋にナイロンは使われていません。ポリ袋とは全く違うものだと覚えておきましょう。

■用途に適した最適な袋を選ぼう

似た意味で使われることが多いポリ袋とビニール袋ですが、実は全く別の素材から作られているアイテムです。日常で目にするレジ袋やゴミ袋のほとんどはポリ袋にあたります

また、ポリ袋は使われている素材によって何種類かに分けることができ、種類ごとに特徴が異なります。用途に応じて、適切なポリ袋を用意することが大切です。
ポリ袋を購入する際は、ご紹介した内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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